NCACについて

NCAC設立の経緯

NCACは、2006年5月5日の勅令第NS/RKM/0506/010号により公布された、商事仲裁法により設立されました。この法に基づき、カンボジア王国政府は、国立商事仲裁センターの組織と運営に関する2009年8月12日政令第124 ANKr.PK号、ならびに、政令第124 ANKr.PK号の改正に関する2010年12月31日政令第182 ANKr.PK号を、それぞれ制定しました。最初の仲裁人選定委員は、2009年10月12日商務省省令第223 MOC/SM2009号により設置されました。

NCAC設立の趣旨

目的:当事者の意図に沿って商事紛争の中立・迅速な解決を促進すること、および、カンボジアの健全な経済成長のために当事者の法的権利及び利益を保護すること。

使命:優れたサービス、最先端の設備、ならびに規制や規則を効果的に実行することを通じて、ユーザー満足度を向上させること。全てのステークホルダーと協力し、仲裁手続に対する社会の理解を促進すること。国際的な認知度を獲得するために、国境を超えて統一された紛争解決メカニズムの発展に寄与すること。

重視する価値:独立、中立、誠実、革新、知性、および、国際主義。

なぜNCACか?

国立商事仲裁センター(NCAC)は、プノンペンに所在する非営利団体であり、2006年商事仲裁法により設立されました。実際に業務を開始したのは2013年であり、それ以来、各種事業者に対し、裁判制度の代替となる商事紛争解決手段を提供しています。NCACの展望は明るいものと考えられています。なぜなら、カンボジア経済の急速な発展により商取引ならびに商事紛争の件数が急激に増加したことに伴い、そのような代替的紛争解決手段の需要も増えているからです。NCACの目標は、近い将来、メコン地域をリードする仲裁機関の一つとして社会に認知されることです。

すでに多くの事業者が商事紛争を解決する手段として仲裁を利用していますが、全ての場合において、国際的または地域的に著名な仲裁機関が利用されているわけではありません。場合により、このような仲裁機関の提供する手続により生ずる費用は、紛争の規模に比して不釣り合いなまでに高額となることがあるからです。また、このような仲裁機関でカンボジア法に関係する紛争を解決することも可能ではありますが、クメール語で紛争を解決することを希望する当事者にとって、それがいつも最善の選択肢となるわけではありません。特に、大量のクメール語の書類が提出された場合などは、クメール語以外の言語で仲裁を行うことは、不可能ではありませんが、現実的ではないといえます。NCACの特長がこれらの制約への対処を可能にします。さらに、NCAC規則の下では、いかなる言語でも仲裁を行うことが可能です。また、カンボジアは外国仲裁判断の承認執行に関するニューヨーク条約の締約国であるので、NCACが出した仲裁判断は、他の国際的又は地域的な仲裁機関が出した仲裁判断と同様の方法で、160以上の国々で執行可能です。

なぜ仲裁か?

代替的紛争解決手続(ADR)の一種である仲裁は、裁判所に頼らずに紛争を解決する手段であり、国境を越えた取引に関する紛争を解決する際に非常によく利用されています。仲裁は、柔軟性、終局性、低廉性、執行可能性、中立性、国際性、そして、秘密性などの長所を有するため、特定の商取引を処理する際に、ビジネスパーソンや政府組織などはこの手続を利用してきました。

柔軟性

仲裁では、当事者は、自分たちのために仲裁手続を『あつらえる』ことができます。紛争ごとのニーズに応じて、当事者は、適用される法規則、仲裁地、ないし、仲裁挙行地を選択することができ、そして、仲裁人の資格を決定することもできるのです。

終局性

仲裁手続には、通常、不服申立手続が含まれていません。仲裁判断、すなわち仲裁廷の判断は、通常、最終的なものであり、実体部分について再審査されることはありません。したがって、当事者は、裁判所の訴訟手続におけるような、長期に渡る控訴・上訴手続を回避することができます。

低廉性

時間と費用のかかる訴訟手続やその他の紛争解決手段とは対照的に、仲裁手続の柔軟性と終局性は、当事者が紛争を迅速かつ経済的に解決する助けとなりえます。一般的に、仲裁は訴訟よりも低廉であるといえます。

執行可能性

外国判決の執行手続は煩雑であり、多くの場合、カンボジアとその他外国間の2国間ないし多国間条約なしには、実行不可能です。対照的に、仲裁判断は、160以上の国・地域が加盟している、1958年の外国仲裁判断の承認執行に関する条約(ニューヨーク条約)が存在することにより、多くの地域で執行が可能です。この条約は、加盟国に対し、外国仲裁判断を承認および執行することを義務付けています。

中立性

当事者は、仲裁合意ないし仲裁条項において、仲裁地を自由に指定することができ、したがって、中立の第三国を仲裁地とすることができます。また、紛争発生時には、独立した仲裁人を選任して中立な仲裁廷を構成させることもできます。

国際性

仲裁は、国際的な紛争解決システムです。仲裁廷は、時には偏狭になることもある各国の法制度からは、基本的に独立しています。仲裁人は、法伝統ならびに専門知識に関して、多様なバックグラウンドを有しています。ですので、仲裁は、日々変化する商慣習に対処する商事紛争を解決する手段として最も適しています。

秘密性

当事者による別段の合意がない限り、仲裁手続は非公開であり、それゆえ、一般には公開されません。さらに、仲裁判断も公開されません。ゆえに、紛争の情報が一般に入手可能となることもなく、当事者は取引上の秘密情報や評判を守ることができます。これは、当事者がビジネス関係を維持する上で有益です。

NCAC模範仲裁条項

この契約から又はこの契約に関連して生ずることがあるいかなる紛争(この契約の存在、有効性、履行、又は終了に関する問題を含む)は、カンボジア国立商事仲裁センターにより、仲裁手続開始時に有効な国立商事仲裁センター仲裁規則(NCAC規則)に従い、最終的に解決されるものとする。この条項において言及したことにより、NCAC規則はこの契約の一部となったものとみなす。

仲裁廷は、(* )名の仲裁廷で構成される。*( )には、奇数を記入すること。

仲裁手続において使用される言語は、( )語である。

この契約の準拠法は、(* )法である。*( )には、国・地域名等を記入すること。